GOSUKE.NET — A – Abm7 – Ebm – Bbm7 – A – Abm7 – Bm – F#m

作者別gosuke

意外と社内に浸透していないらしい “ブランドストーリー”

実は「ブランドストーリー」って、意外と社内にきちんと浸透していないんじゃないの? というハナシ。

U.S. の InnerViewFocusVision が「企業のブランドストーリーと顧客体験」に関するデータを発表したのだけれども、これによれば、U.S. の多くの企業は、「ブランドストーリー」をウマく使いこなせていないらしい。

Have Your Story Straight?
Why Brand Message Dilution Hurts in the Experience Economy

これが、そのデータ。中を見ると、「あなたの会社は、バリュープロポジションを伝えるために、自分たちのブランドストーリーを定義した、もしくはしようとしたことがありますか?」という問いに対して「Yes」と回答した企業は、79%。しかし、その定義したブランドストーリーを「社内のあらゆる部門の人間が、正確に、一貫性を伴った形で説明できるか?」という問いに対して「Extremely/Very Confident」つまり「非常に自信を持っている」と回答した企業は半分に満たず 43% となっている。

そして「自分たちの会社のブランドストーリーは、顧客に伝えられるまでに希釈されている、もしくは歪められてしまっている」という問いに対して「強くそう思う」と回答した割合が 30% 近く (29%) になっていたりするわけで。

ちなみに、「あなたの会社のブランドストーリーを、きちんと顧客に伝えられる部門は?」という問いに対して、最も多くの回答を集めたのが「営業部門」で 75%。ほぼ同じ数字なのが「アカウントマネジメント」つまり既存顧客と相対する部門で 74% となっているように、常に顧客と接する業務を担当する部門の数字が高い傾向にある。

一方で顧客と接する機会が、それほど多くないと考えられている部門は、きちんとブランドストーリーを語れないと思われているらしく「Technical and/or Installation Team」、つまり IT 部門あたりになると、44% と一気に低い数字になってしまっている。

あまりよろしくない現状なのだけれども、ブランドストーリーが全社的にきちんと浸透していない、つまり社内のあらゆる部門の人間が、間違いなくきちんと語ることが出来ない、ということについては、一応危機感は持っているらしい。それは「ブランドストーリーが希釈化、もしくは歪曲化することによって発生するコスト」について、80% 以上の回答者が「少なくとも 100 万ドル以上」と回答していることからも伺い知れる。ちなみに「1000 万ドル以上」という回答も 28% あったりする。

「ブランドストーリーの希釈化、歪曲化が顧客体験に、どう影響するか」という点に関して、多く挙がったのが「間違った期待値を与えてしまう (53%)」「顧客が混乱してしまう (51%)」「顧客に違うブランドや商品の選択肢を与えてしまう (49%)」といったあたり。

一方で「ブランドストーリーがきちんと語れている」ということで「顧客とのエンゲージメントが深まる (86%)」あるいは「顧客満足度が向上する (85%)」と考えているようなのだけれども、現実は、なかなかウマく行っていないというのが、結構深刻な課題になっているというのが現状だとか。

なかなかブランドストーリーが社内にきちんと浸透しない理由として考えられているのが「オペレーションのサイロ化」と「マーケティングメッセージが頻繁に変わる」というもの。実際「ブランディング、もしくはリブランディングキャンペーンを四半期ごとに行っている」企業が 29% もあったりと、もはやブランドの一貫性も何もあったもんじゃない状況だったりもするわけで。

目先を変えてプロモーションしていきたいというのが先行して、結局ブランドメッセージがどんどん希釈化、もしくは歪曲化しちゃうという流れになってしまっているのだけれども、まぁ、本末転倒だよなぁ、と思うわけで。

U.S. の年末商戦をさらに前倒しさせちゃうかもしれない Amazon Prime Day

そういえば、先日 eMarketer に、面白いレポートが出ていて。

“Amazon Prime Day 2019”

要は、それだけ、Amazon Prime Day が、現在の消費者の購買行動に対して、大きな影響を与えている、というハナシなんだけど。このレポートのサブタイトルをみると、どれだけインパクトが大きいが、よくわかるかもしれない。

Black Friday in July and the Kickoff to Back-to-School Shopping

Amazon Prime Day 2019 (eMarketer)

もはや「7 月の Black Friday」って言われるくらいなわけで。さらに「Back-to-School Shopping の始まり」とも位置付けられているらしい。

で、これって、実は U.S. 企業のマーケティング的には、結構大きな変化になるのです。簡単に言うと「Black Friday を中心とした “Cyber Week” の位置付けが、根本的に変わってしまった」という感じ。

何年か前までは、U.S. の小売企業は、Cyber Week の、約 1 週間で、どれだけがっつり売上を上げるかが問われていたわけです。そりゃ、年間売上の、かなりの割合を一気に稼ぐことが出来る期間になるわけだから当然なのだけれども。

ところが、消費者の購買活動が EC にシフトするにつれて、これが、どんどん前倒しになってきたわけで。実際、Cyber Week が始まる Thanksgiving Day よりも早く「年末の買い物」を始める消費者は、もう U.S. 全体の半分くらいになっているはず。早ければ 8 月あたりから、徐々に年末の買い物を始める人も出てくるくらい。

なので、U.S. の小売企業は、大体 8 月下旬くらいから始まる Back-to-School Shopping あたりから、徐々に年末商戦の準備をし始めるようになってきているのです。例えば、Cyber Week に向けて、顧客のプロファイルを少しでも多く集めようとしたり、(AI 等に学習をさせて) レコメンデーションの精度を上げたり、SEO / SEM のキーワードのチューニングを始めたり。

で、U.S. は、カレンダー的に、8 月下旬以降、Cyber Week あたりまで、EC での購買が盛んになるタイミングが、大体 1 ヵ月に 1 回くらいの頻度で訪れるようになっていて。8 月下旬から 9 月上旬にかけての Back-to-School、10 月アタマ頃の Columbus Day、その後、10 月下旬の Halloween、そして 11 月下旬の Thanksgiving でピークを迎え、そのまま 12 月 25 日のクリスマスへと続くという感じ。

つまり、いまや U.S. の小売企業における「年末商戦」とは、単に Cyber Week 周辺の 1 〜 2 週間で、まとめて売上を刈り取るということではなく、8 月下旬から 12 月下旬にかけて、顧客一人あたりの売上を最大化させる中期的活動になっちゃっているわけで。

で、Amazon Prime Day というのは、8 月下旬の Back-to-School から始まる「年末商戦」を、さらに前倒しにさせるような存在になりかねないわけです。そうなると、もう U.S. の小売企業は「半年かけて年末商戦を戦う」といった状況に置かれてしまうのですね。もはや「年末」と言っていいのかってくらい。

そういう意味で、Amazon Prime Day って、だいぶ消費者の購買行動を変えちゃったし、合わせてマーケティングのやり方まで変えてしまったと思うのです。

現在の米国新聞業界をざっくり把握出来るレポート

週刊連載を持っていた時、あちこちから出されたリサーチなどを見ていたのだけれども、その中でも結構お世話になっていたのが Pew Research Center のモノ。要は U.S. 全体の動きや傾向などをリサーチするシンクタンクなのだけれども、注意深くチェックしていると、結構デジタル マーケティング関連に役立つような調査結果が出ていたりするのです。

で、今回ちょこっと見ていたら、“State of the News Media” の中身が、結構最新版に update されていたのだけれども、その中でもインパクトがあったのが、最新版の “Newspapers Fact Sheet”

このあたりのグラフを見てもわかるように、もう発行部数の落ち込み方が半端じゃない。

で、当然といえば当然なのだけれども、広告収入も激減。

去年 (2018 年) の数字なんて、もはや 1980 年よりも低くなってるし。まさに 40 年前の水準に逆戻りな状態になっているわけで。

2011 年から 2018 年にかけて、広告収入全体に占める “デジタル広告” の割合が、17% から 35% と倍になってはいるけれども、現状、収益面に関しては、全くと言っていいほど歯止めがかからない状態にあることは間違いない。

なので、これに伴って、人も減っている。”Newsroom Employee” (この調査では、記者、編集者、および写真、映像のカメラマンを指す) に限って見れば、2008 年から 2018 年の 10 年にかけて 47% 減。ほぼ半減している。

給与水準は、それほど大きく変わっているわけではないので、単純に人が思いっきり減ったという感じ。

頑張って Transformation しようとしている U.S. の新聞業界でも、これだけ厳しい状況だということを考えると、日本も推して知るべしというか、そのうちもっと大変なことになるんじゃないか、とも思うわけで。

北米の Ad Fraud 事情がわかる資料

つい昨日、ちょっと気になる資料が出ていたので、メモ代わりに。北米エリアのインターネット広告についてなのだけれども、主に Ad Fraud のハナシ。

“Digital Ad Fraud in North America”

米 Trafficguard 社 ( http://trafficguard.ai )

ざざっと読んでみたのだけれども、北米企業がインターネットユーザー一人あたりに投下している広告費は、グローバル平均に対して 455% も高いらしい。要は、世界的に見て、もはや “異常” と言ってもいいくらい、オンライン上で、ガンガン広告を出しまくっていると考えてもいいわけで。

もちろん、ガンガン広告を出しまくっている一方で、Ad Fraud も深刻化するよね、というのも予測されている。実際、Juniper Research が試算したところ、2018 年、つまり昨年一年間で、一日あたり約 4,400 万ドル (約 47 億 5700 万円) の広告費が、Ad Fraud によって吹っ飛んでいるらしい。

さらに、この数字は、今後ますます (企業の広告費がインターネット広告にシフトすればするほど) インパクトが大きくなり (というか、既にインパクトが大きいのだけれども)、5 年後には一日あたり 約 1 億ドル (約 108 億円) が Ad Fraud によって無駄になってしまうそうで。これは広告費全体の約 20% らしい。

ちなみに、北米は、とにかく Ad Fraud の影響を激しく受けており、2019 年は、グローバルで Ad Fraud によって生じる被害額のうち 36% が北米からもたらされているとか。北米のインターネットユーザーは、グローバルの 9% でしかないのに、Ad Fraud による被害総額の 36% も占めているあたり、どれだけ深刻かがイメージ出来るかと。

というわけで、このあたりの数字は、アタマの片隅に置いておくといいかも、ということで、ブログのネタとして。