テレビは観ないけどコンテンツにおカネを払うヒトのハナシ (U.S. のハナシ)

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前回書いた “BBC のインフォグラフィックのハナシ” と少し関係ある、というか続きになるようなモノかもしれないハナシ。

1 週間くらい前の AdAge に少し気になるハナシが出ていた。

These Are the TV Shows More Popular Among Cord-Cutters

ちなみに “Cord-Cutters” というのは、ケーブル テレビなどを解約して、インターネット上で動画を試聴する方向に切り替えたヒトたちのコト。つまり、この記事は、いわゆる Cord-Cutters と呼ばれているユーザーたちは、ほかのインターネット ユーザーよりもテレビ番組を観ているというハナシ。もちろんテレビで観るわけではなく、オンラインで観るというコトになるのだけれども。

コレは Experian Marketing Services で実施した調査結果らしいのだけれども、Cord-Cutters がよく観ている番組のほとんどは、 “Traditional TV” 、つまり別にケーブル テレビや衛星放送の契約などをしなくても観られるモノらしい。

ただ、この中には番組そのものとか、あるいはシリーズ全体を観ているわけではないヒトも少なからずいるみたいだし、また、 “クリップだけ” 観ているというユーザーもカウントされているらしい。

でも、逆に考えれば、ショート クリップのような短いカタチにして、手軽に観られて、かつシェアしやすい環境を提供するコトで、Cord-Cutters たちを中心に番組そのものの認知を大きく高めるコトができるのではないか、とも考えられているようで。

あとは、Hulu とか Netflix に流れているというハナシもあるらしい。実際 Cord-Cutters がよく観る番組の上位 15 番組のうち、12 番組は Hulu で、そして 8 番組は Netflix で視聴可能だというコトだし、今回調査に回答した Cord-Cutters の 18% は、Netflix か Hulu のアカウントを持っているとのコト。

とはいえ、Cord-Cutters が軒並み Hulu や Netflix に流れているというコトではなく、むしろ Cord-Cutters は “TV局の Web サイト” をよく訪問するという結果が出ているのが気になるわけで。さらに言うと、YouTube を観ているユーザーの割合は、もっと少なくなるというのも気になるトコロ。

コレに関して、調査を行った Experian は Cord-Cutters を “people who have broadband internet subscriptions but not cable or satellite TV subscriptions” 、つまり「ブロードバンド インターネットでの (コンテンツ配信の) 購読契約を結んでいるけれども、ケーブル テレビや衛星放送を契約していない人」という定義にした方がいいのではないか、とコメントしている。もともと Cord-Cutters って、単に “ケーブル テレビや衛星放送の契約をやめた人” と言っていたのだけれども、実際にはちゃんとおカネを払ってコンテンツを視聴しているからだ、というのが理由。

自分の観たいコンテンツ “だけ” を、自分が観たい時に、自分が観たいカタチで視聴する、というためであれば、きちんとおカネを払う、というコトなのかもしれないわけで。あまり興味の無いコンテンツも含めて、subscription におカネを払うのはイヤで、かつずっとテレビの前にいるというのもイヤだ (もしくは、そもそも、そんな時間が無い)、というコトなのかもね。

・・・と、まぁ、コレはアメリカでのハナシなのだけれども、日本はどうなんだろう、というのをふと感じてしまったわけで (個人的には、ちょっと違うのかもなぁ…、と思っていたりする)。

Human Error に気を付けよう

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日本では、あまりハナシを聞かないのだけれども、海外だと、プロ スポーツの業界って、マーケティング活動において、デジタルの活用が積極的に行われているように思える。ソレもチーム単位というだけではなく、リーグ全体、たとえば NFL だったり MLB だったり NBA だったり、というカタチで、みんなで新しい試みを行っているような感じ。

Web サイトだけではなく、メールやら SNS やらを駆使して、ファン獲得や、チケット/グッズ販売、その他のマーケティング活動を、それこそ、まさに “Data Driven” なカタチで行っているのだけれども、先日 NBA の Golden States Warriors では、こんなコトが起こったらしい。

Warriors Make Glaring Mistake in Email to Season Ticket Holders

コレ、NBA Playoff 1 回戦のハナシなのだけれども、Golden States Warriors と Los Angels Clippers の戦いは第 7 戦、つまり最終戦までもつれ、結局 Los Angels Clippers が競り勝ち、通算成績 4 勝 3 敗でカンファレンス準決勝に進出。そして、Golden States Warriors は、監督の Mark Jackson を解任…、というコトなのだけれども、Golden States Warriors から配信されたメールのタイトルが、 “Warriors Beat L.A. in Game 7; Exclusive Round 2 Pre-Sale Information” だったというハナシ。

つまり負けちゃったのに “Warriors が第 7 戦で L.A. に勝利。会員限定第 2 ラウンドのチケット前売り情報” 的なタイトルのメールを、ファンに対して配信してしまったわけで。で、しかもメール本文は “監督解任のニュース” だったらしい。元記事のタイトルに “to Season Ticket Holders” と書いてあるから、ファンのごく一部だと思うのだけれども。

どんなに色々な技術やらツールやらを駆使しても、Human Error って、どこかに必ず発生する可能性があるから、気をつけようね、というハナシ。このハナシとは違うのだけれども、マーケティング活動がマスからセグメント、そしてパーソナライズという方向に向かっていくにつれ、コンテンツだったりメッセージだったりというのも合わせて細分化されていくから、比例して Human Error ってのも起こりやすくなってくるのかなぁ、とも思うわけで。

それでも日本企業にだって CMO が必要なんじゃないかと思う理由。

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この記事を読んでいて、ふと思ったコト。

CMOを置くよりも、日本企業に必要なこと

先日発売になった書籍『The Real Marketing―売れ続ける仕組みの本質』の紹介記事として、著者である、インテグレート代表取締役 CEO の藤田 康人さんがインタビューに答えていらっしゃる記事なのだけれども、この中で、日本企業において CMO が必要か否か、というハナシが出ている。

“THE REAL MARKETING―売れ続ける仕組みの本質” (藤田康人)

この中で、氏は、

マーケティング活動全体を俯瞰で見る「リーダー」の存在は必要です。しかしCMOという中央集権的なスタイルが、リーダーシップのあり方として日本企業に適しているか、といえば疑問が残ります。

と語っている。そして、その上で IMC (Integrated Marketing Communication) を語り、この IMC がだんだんと進化していっているハナシが続き、

グローバル企業では、すでにIMC3.0まで進んでいますが、日本の企業は1.0ですら、多くの企業で実践できているとは言い難い。では、ここに強力なリーダーシップを持った人を配すれば、全てがうまくいくかといえば、そうとも限りません。そもそもマーケティングとは、売れ続ける仕組みをつくること。それならば、この「仕組み」づくりで日本企業に合った形を考えるべきではないか…。本書では、その「仕組み」について、CMOがいなくてもIMC3.0を目指せるマーケティング機能のあり方を解説しています。

というように、日本企業に CMO という存在があって、果たしてきちんと機能するのだろうか…、という問題を投げかけられている。

たしかに、そうなんだろうなぁ、とは思う。日本の組織の中である特定の function において、幅広い権限を有するリーダーを配するコトで、どれだけ機能するだろうか…、と思うコトはしばしばあるわけで。ソレが、なんとなく企業文化であったりといった部分に起因するというのも、わかるような気がする。

ただ、コレが “日本企業には CMO は必要ない” という理由になるかといえば、必ずしも、そうは言えないのではないか、とも思うわけで。

そもそも、これまで CMO がいない、というコトで、IMC 云々はさておき、マーケティング活動そのものが、どれだけ戦略的に展開されていないままになっていたコトか…。仕組み云々以前に、その仕組みのベースとなる戦略を策定していくにあたって、CMO 不在の状況で、どれだけ不毛なマーケティング活動をせざるを得ない結果になっていたか…。

マーケティング戦略、そしてさらに、そのベースとなる事業戦略を、トップマネジメントの人間が策定していく際、ソコにマーケティングを専門的に語れる人間がいなかったコトで、マーケティング活動そのものが、営業支援/販促活動の域を出ないというコトは、それこそあちこちで起こっているハナシ。

上記で言及している記事で述べられている「売れ続ける仕組みを作る」どころか「Sales 側で考える “コレやったら売れるんじゃない?” 的な “思いつき” の実行部隊」になっちゃってるトコロを何とかするためには、きちんと事業戦略を策定していく中心的な部分にマーケティングの人間がいなくちゃいけない。ソレがすなわち CMO だと思うのです。

そして、何よりも、こういった立場の方が、マーケティング活動に対して、きちんとした予算を確保する、あるいは設備/インフラ投資を行う、といったコトも強く求められているわけで。どれだけいいアイディアがあったって、先立つモノが無いと、何もカタチにできない。専門性を持った Agency だって使えないし、もう一段階上のレベルのマーケティング活動を行うためのツールだって使えない。結局担当者が力技で何とかしなくちゃいけないというのを繰り返しているだけでは、それこそ「売れ続ける仕組み」なんて、いつまで経っても出来ないし、何も変わらないと思うのです。

リーダーシップもさることながら、組織のマネジメント層の中枢に位置し、きちんと事業戦略を策定する。そして、そのための適切な予算や設備、インフラを確保する。こういった、ある意味当たり前のコトをきちんと行うために、CxO レベルのヒトが強く求められていると思うのです。そのためにも、CMO って必要なんじゃないかなと。

「マーケティング職」を離れて 1 年。そういうコトをますます強く感じるのでした。