それでも日本企業にだって CMO が必要なんじゃないかと思う理由。

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この記事を読んでいて、ふと思ったコト。

CMOを置くよりも、日本企業に必要なこと

先日発売になった書籍『The Real Marketing―売れ続ける仕組みの本質』の紹介記事として、著者である、インテグレート代表取締役 CEO の藤田 康人さんがインタビューに答えていらっしゃる記事なのだけれども、この中で、日本企業において CMO が必要か否か、というハナシが出ている。

“THE REAL MARKETING―売れ続ける仕組みの本質” (藤田康人)

この中で、氏は、

マーケティング活動全体を俯瞰で見る「リーダー」の存在は必要です。しかしCMOという中央集権的なスタイルが、リーダーシップのあり方として日本企業に適しているか、といえば疑問が残ります。

と語っている。そして、その上で IMC (Integrated Marketing Communication) を語り、この IMC がだんだんと進化していっているハナシが続き、

グローバル企業では、すでにIMC3.0まで進んでいますが、日本の企業は1.0ですら、多くの企業で実践できているとは言い難い。では、ここに強力なリーダーシップを持った人を配すれば、全てがうまくいくかといえば、そうとも限りません。そもそもマーケティングとは、売れ続ける仕組みをつくること。それならば、この「仕組み」づくりで日本企業に合った形を考えるべきではないか…。本書では、その「仕組み」について、CMOがいなくてもIMC3.0を目指せるマーケティング機能のあり方を解説しています。

というように、日本企業に CMO という存在があって、果たしてきちんと機能するのだろうか…、という問題を投げかけられている。

たしかに、そうなんだろうなぁ、とは思う。日本の組織の中である特定の function において、幅広い権限を有するリーダーを配するコトで、どれだけ機能するだろうか…、と思うコトはしばしばあるわけで。ソレが、なんとなく企業文化であったりといった部分に起因するというのも、わかるような気がする。

ただ、コレが “日本企業には CMO は必要ない” という理由になるかといえば、必ずしも、そうは言えないのではないか、とも思うわけで。

そもそも、これまで CMO がいない、というコトで、IMC 云々はさておき、マーケティング活動そのものが、どれだけ戦略的に展開されていないままになっていたコトか…。仕組み云々以前に、その仕組みのベースとなる戦略を策定していくにあたって、CMO 不在の状況で、どれだけ不毛なマーケティング活動をせざるを得ない結果になっていたか…。

マーケティング戦略、そしてさらに、そのベースとなる事業戦略を、トップマネジメントの人間が策定していく際、ソコにマーケティングを専門的に語れる人間がいなかったコトで、マーケティング活動そのものが、営業支援/販促活動の域を出ないというコトは、それこそあちこちで起こっているハナシ。

上記で言及している記事で述べられている「売れ続ける仕組みを作る」どころか「Sales 側で考える “コレやったら売れるんじゃない?” 的な “思いつき” の実行部隊」になっちゃってるトコロを何とかするためには、きちんと事業戦略を策定していく中心的な部分にマーケティングの人間がいなくちゃいけない。ソレがすなわち CMO だと思うのです。

そして、何よりも、こういった立場の方が、マーケティング活動に対して、きちんとした予算を確保する、あるいは設備/インフラ投資を行う、といったコトも強く求められているわけで。どれだけいいアイディアがあったって、先立つモノが無いと、何もカタチにできない。専門性を持った Agency だって使えないし、もう一段階上のレベルのマーケティング活動を行うためのツールだって使えない。結局担当者が力技で何とかしなくちゃいけないというのを繰り返しているだけでは、それこそ「売れ続ける仕組み」なんて、いつまで経っても出来ないし、何も変わらないと思うのです。

リーダーシップもさることながら、組織のマネジメント層の中枢に位置し、きちんと事業戦略を策定する。そして、そのための適切な予算や設備、インフラを確保する。こういった、ある意味当たり前のコトをきちんと行うために、CxO レベルのヒトが強く求められていると思うのです。そのためにも、CMO って必要なんじゃないかなと。

「マーケティング職」を離れて 1 年。そういうコトをますます強く感じるのでした。