メディア接触時間に関する最新データ (U.S. Adults の場合)

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色々と調べ物をしていたら、ちょうど U.S. における成人のメディア接触時間に関する最新データが出ていた。コレは毎年 eMarketer が調べて発表しているモノ。

SharesOfTimeSpentPerDayWithMajorMediaByUSAdults

コレを見ていると、まず 2010 年と 2014 年を比べて、そもそもメディアに接触している時間そのものが、1.5 hrs. も長くなっているというのに気付く。2013 年以降は、もう 12 hrs. を超えているから、一日の半分以上は、何らかのカタチでメディアに接触している、というコトになるわけで (まぁ、そりゃシゴトしてる時とか、そういう状態も含むんだろうけど)。

あと、やっぱり大きく目立つのが、Digital が、ここ 4 年くらい、TV/Radio/Print/Other を、それぞれ 1% ちょっとくらい吸い取りながら割合を伸ばしているというトコロ。しかもわかりやすく Mobile に集中しているという感じ。要は、TV/Radio/Print に加えて PC からも可処分時間を吸い取って Mobile がどんどん大きくなっているという感じか。

そりゃ、この前 IAB と PwC が発表した “IAB internet advertising revenue report (2013 full year results)” みたいなハナシにもなるよなと。いや、ネット広告が TV 放送の広告売上を抜いたとか、そういうハナシじゃなくて (実際、CATV 含めたらネット広告はだいぶ少ないし)、ネット広告が (それでも) 急成長している背景にあるモバイル広告市場が大きくなっているという部分で。

しかし、さすがに Print、もとい Magazines/Newspapers は、かなり数字として厳しいモノがあるけれども、TV とか Radio って、まだまだ意外と観られている (聴かれている) んだなぁ、というのが率直な感想。むしろ、そっちの方に、ちょっと驚いていたり。

『アド・バード』(椎名誠)

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我ながら、何回買い直したら気が済むんだ…、と思いつつも、また買ってしまった本。最初に手にしたのは、大学に入った頃だったから、もう 20 年も前になるのか…。ちなみに、本作が刊行されたのは 1990 年だから、ソコからさらに 4 年前のハナシ。そういえば、その年の日本 SF 大賞を受賞していたはず。

“アド・バード (集英社文庫)” (椎名 誠)

買って、読んで、人にあげ…、というのを、かれこれ何度繰り返したかわからない。今まで手元に無かった、というコトは、多分以前、誰かにあげてしまったのだろう。自分が「いいな」と思う本って、いつも、こんな調子だから、結果的に何冊買っているコトになっているのやら…。

なんで、毎度毎度手にするかって、なんとなく、今のアドテクって、一歩間違えると、この『アド・バード』で描かれている世界に突っ込んで行ってしまいそうな気がするから。特に、この 1 〜 2 年における最新のアドテク動向とか、今後向かっていくだろうな、と思われる方向性とか、あるいは、ソコから想像される未来図などを思うと、どうしても、この『アド・バード』に描かれている世界がオーバーラップするコトがあって。

(ネタバレになってしまうので、あまり触れないけれども) この作品は、冒頭に「日本 SF 大賞を受賞した」と触れているコトからもわかるように、いわゆる SF モノ。ただ、この作品の舞台設定が、そもそも「2 つの大企業が、お互いに改造生物を使って “広告戦争” を繰り広げた結果荒廃した世界」というモノだったりするわけで。

なんというか、この舞台設定からして、今のアドテクが (何かの拍子に間違って) 暴走しちゃった先の未来を暗示しているような気がするのです。この作品で書かれている世界で、広告というモノはメディアを完全に飛び出しちゃっていて、あらゆるトコロに存在しているような状態。いや、むしろ広告が無い状態というのが、そもそもあり得ないようになってしまっていると言った方がいいかもしれない。

しかも、その広告は生物にまで及んでいて、まさに “広告のために改造された生物” が、人間以上の存在感を持っているような世界。さらに、その “広告のために改造された生物” 同士が、それぞれ競合企業の広告を行う他の改造生物と、(おそらく当事者であるハズの生物自体、自分たちが何をやっているのかわかっていない) 戦いを繰り広げた結果、荒廃しきった世界が舞台になっているわけで。

いや、ヘンなハナシなんだけど、この『アド・バード』で描かれている世界が、ともすれば現実のモノになり得そうな気もして、恐ろしさすら感じてしまうわけで。テクノロジーだけが過度に先行しちゃっていて、ユーザーが半ば置いてきぼりを食らっているようにも見える、今のアドテクの世界が、似たようなモノに思えてしまう時があるのです。そりゃ、広告同士が戦うコトは無いだろうし、ソレ以前に、目の前を飛んでいるトリが、いきなり隊列組んで、企業の広告をやり始めるなんてコトも無いだろうけれども (ちなみに、作品のタイトルである『アド・バード』って、このトリのコトを指している)。

ただ、消費者が不在になってしまったまま、広告の手法や方法論だけが、どんどん高度化し、結果的に広告が消費者をも支配してしまうように見える状態。そして、気が付いたら「誰のための広告なんだっけ?」というコトになるような状態というのは、今、アドテクが突っ走っている時代の中でも、ちらほらと見え隠れしているように思える。

いや、作品中で「蛇口を捻ったら広告が流れる」シーンがあったりするのだけれども、コレって今思うと、決して笑えないような気もするわけで。だって、少なくとも似たようなコトって、デジタルの世界の中では普通に行われているわけだし。

なので、時々自分の中にバランス感覚を持たせるために、時々、この本を読むというコトをしておかなきゃな、と思うのです。この作品が作られた当時「世界初の Web サイト」すら存在していなかった時代なのだけれども、不思議と今のインターネットの世界におけるアドテクの登場、そして、ソレに対する警鐘を鳴らしているかのような作品にも思えてくるわけで。というわけで、ゴールデンウィーク期間中、久々に手に取ってみようかなと。